カルティエのガラス張り革のバッグ、ハッピバースデイの傷直しです。
《ガラス張り革》は、クロムなめしをした牛革を平らなガラス板やホーロー加工した鉄板に
貼り付け乾燥させ、銀面をサンドペーパー等で削り顔料塗装してある皮革です。
その上からクリアーな合成樹脂を吹き付けエナメルのような艶を出し仕上げたものです。
美しい反面、一般の銀付き革に比べると銀面を削ってあるので縫い目から割れてきたり、
素材が硬いので、擦れるところのダメージが大きいのも特徴です。
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気が付くといつの間にか傷がついてた・・・・高価な商品だけにショックが大きいですよね。
表面の合成樹脂から顔料塗装も擦れ、革の方まで傷が入ってしまっています。
まずは、色落した部分の毛羽を整えて着色です。
先に染料で薄い部分の色に合わせ色を付けます。
染料が乾いた後、つぶれた部分をアイロン熱を与えての皺取りです。
次に顔料を使い色調整し、合成樹脂を数回に分けて塗って終了です。
単純な作業ですが、色合わせ、皺取り、樹脂塗装、すべてに気を使う作業です。
使った後や、埃が被った時にきちんと乾拭きし、型崩れ防止に紙あんこを詰めるなど、気を遣い丁寧に使ってあげると
美しさも長持ちすること間違いなしです。