『ブリーフケースのお直し』・・・蓋裏の取り替えリメイクと合皮樹脂こびりつき汚れのメンテナンスです。
本当に嫌なものですよね・・・! 鞄本体や革は、まだまだしっかりしているのに、化学反応でドロドロになってしまった
蓋裏の合皮が革を痛みつけています。
『加水分解』と言う化学反応によって分解していく蓋裏の合皮素材・・・寿命ですサインはベタベタし始めます。
(日本やアジア、湿気の多い国ではそもそも合わない素材だと思います。)
べたべたし始めたら、もう元には戻りません><。どんどん分解が進み土台の基布からも剥がれ、いたる所についてしまいます。
元々は原油なので水で拭いても石鹸で洗っても、何しても駄目なので鞄を分解し、二度とべとつかないように革で取り替えるしかありません。
蓋裏生地が、内装のポケットまで下がっているので、すべて内装も分解し、ポケットも作り変えての作業です。
組み立て直ししますが、元々のステッチ穴をきちんと合わせ貼り合わせします。
穴さえ合わせればミシンで縫えるのですが、穴が開いているため、糸のしまりがまばらになり、正直綺麗ではありません・・・。
あえて面倒でも、手縫いで縫い直しします。
蓋裏の合皮樹脂が胴の革にこびりついています。革の茶色の顔料に樹脂が溶け込み一体となっている為、顔料ごと落とすしかありません・・・、><”
顔料が落ちたところをメインに染料で染めながら全体を染直しします。
細かな傷も直して終了です。
この鞄ではありませんが、ブランド品にもたまに見られます。
今回のような加水分解を起こす素材をわかって使用し、表面上、一流の職人がこだわって作る鞄・・・!・・と、決まりきったコピー・・・
作った職人も、泣きますよね…